実生(種まき)について

 

どのような方法で木を増やしたり、小さくできるのでしょうか?

 

具体的には

・さし木

・つぎ木

・とり木

・実生(種まき)

以上4つの方法があります

今回は実生(種まき)について詳しくご紹介したいと思います

種2

 

 

ページリスト

・実生とは

・実生の利点

・種の採取と保存のしかた

・種のまき方と適期

・種まき後の管理のしかた

・私の実生(種まき)手順

 

 

合わせて読みたい記事

さし木について

つぎ木について

とり木について

 

 

・実生とは

 

種をまいて増やす方法を「実生」といいます

種から芽をだして成長する点で、さし木などの栄養繁殖とは異なります

自然界で普通に行われていることを人為的に行うわけで、1度に多くの苗が得られます

また、園芸植物の多くは複雑に交配しているので、親の形質がそのまま伝わることがなく、いろいろな形質のものが出てくるという楽しみがあります

 

 

・実生の利点

 

普通の実生とは、種から芽をだし、成長することをいいます

山野にはえている植物はほとんど実生から生じたものです

園芸では種をまいて増やすことを実生といます

 

・第1にあげられるのは、1度に大量の苗を増やすことができる点です

実生は自然界で普通に行われていることなので、特別な技術がいるわけでもなく、だれでも簡単に増やすことができます

つぎ木用の台木を増やすのにも最適です

・実生では、芽生えからその環境で育つので、地域に適応して健全に生育することができます

・遺伝的に複雑な品種が多い為、実生では親の形質が子にそのまま伝わることがありません

いろいろな形質をもったものが生まれてきます

これは、実生での魅力の1つです

よく観察して、個性的な形質をもった苗を選別する楽しみは格別です

 

・種の採取と保存のしかた

 

種は熟してから採るのが普通ですが、完全に熟すと休眠状態に入ることがあります

完熟する直前に採取したほうが発芽率がよくなります

秋に熟した種は、採ってすぐにまく(これを採りまきといいます)のが一番自然ですが、冬の管理が難しいときは翌年の張るまで保存します

種は多肉種と乾果種に大別されます

果肉に含まれた多肉種は、その果肉や果皮に発芽を抑制する物質が含まれているので、採取したら果実をもみつぶし、水洗いをして果肉をきれいに取り除きます

乾燥させないようにビニールの小袋に入れ、翌春の種まきの適期まで冷蔵庫などで保存します

または、台所のゴミ受けに使うネット状の袋にいれて、庭の隅に埋めておいてもよいでしょう

春の種まきの適期には、土中で果肉が腐ってなくなるので、水洗いしてそのまままくことができます

忘れないように結んだ袋の口を土の上にだし、立て札などの目印をつけておきましょう

乾果種の種は、湿らさないように紙袋などに入れて、日陰の涼しいところや冷蔵庫で春まで保存します

種保管

 

 

・種のまき方と適期

 

自然界にはえている植物は、種が熟して地上に落ちます

そして発芽するための温度、水、空気の3条件が適合してくると発根、発芽します

したがって、秋に熟した種は、採りまきにするのが自然な方法です

ただし、冬に寒害や凍害のおそれがある場合は、種を乾かさないように保存して、翌年の3月頃にまきます

まき床は、種が多いときは庭の隅などに土を盛って、まきます

種が少ないときやベランダで育てる場合は、鉢やプラスチック製の育苗箱などがよいでしょう

用土は、保水性のある清潔なものなら、とくに選びません

まき方は、種の大きさによって

・ばらまき

ばらまき

・すじまき

すじまき

・点まきなどを行います

点まき2

撒いた種を軽く押さえ土になじませます

 

 

・種まき後の管理のしかた

 

種まき後は半日陰に置き、用土を乾かさないように管理します

発根後は徐々に日に当てて慣らしていきます

ばらまきなどで密植状態のときは、適当に間引きます

生育状態にもよりますが、一般的には8月下旬~9月上旬に薄い液肥を施します

移植は翌年の春、新芽が伸びる前に行います

移植の際は、側根を出させて根張りをよくするために、直根を切り詰めます

なかには成長の早いもの、遅いものがあり、移植のタイミングも異なる場合があるので、注意が必要です

実生苗

 

 

・私の実生(種まき)手順

 

熟す直前の実を採取する

実から種を取り出し水洗いを行う

水に浮いている種は取り除く

タオルで種の水分を軽く拭き取る

密閉できるビニール袋に入れ冷蔵庫で保存する

気温が上がりだす春に種まきをする

種まき用土を準備する

私のオススメの用土はこちらです

 

袋から取り出した種を、オキシベロン液に2時間つける

 

その後、種まき用土に並べる

種を指で軽く押さえ土になじませる

種が流れないよう水やりを行う

半日陰で管理する

 

以上が私の作業手順になります

 

 

私がさし木、つぎ木、とり木、実生を行っている理由

 

私は庭師の仕事をしています

その中で、お客様から

「両親の大切な庭、思い出の詰まった庭を大事にしたいが、困っている」

という声を聞き、庭を残す方法を考えておりました

悩み抜いた結果

「庭木を小さな盆栽にする」

という答えになりました

盆栽でしたら、マンションや高齢者施設にも、持って行くことが出来ると考えたからです

それ以降、接ぎ木・挿し木・取り木・実生のことを学び

活動を行っています

スポンサードリンク

「思い出の庭木を小さな盆栽に」

メモリアル盆栽 (2)図

 

参照 より簡単で確実にふやせるさし木・つぎ木・とり木

投稿一覧