お庭の思い出物語

 

私は庭師の仕事をしております。

職業柄、お客さん(おじいちゃん、おばあちゃん)とお話をする機会が多くあり、

楽しい話、苦労した話、庭に関する思い出など、皆さんひとりひとりにいい物語があります。

そこで、その物語を1000文字程度でご紹介してみたいと思います。

今回は、お庭を大切にしていたご両親の思い出の物語と

私の活動「思い出の庭木を盆栽に」もご紹介したいとおもいます

 

 

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お庭の思い出物語

お庭の思い出物語 第2話

 

 

第3話       Aさん

 

「厳しいお父さんだった」

 

お父さんの出身は鹿児島である

九州男児という言葉がよく似合う

お父さんだったそう

 

九州から上京して

東京で生活を送り

 

夫婦共働きで

一生懸命家族を支えたのだった

 

「まだ、みんな集まらないのか」

夕御飯はきまって

みんなが揃って食べなければならない

 

家族の団らんの時間を大事に思っているのだ

 

「お箸をちゃんと持ちなさい」

お行儀にも厳しく

小さなころはよく怒られていたそう

 

一本筋の通った性格だったお父さん

時には厳しく

時には思いやりをもって

陰ながら見守る

 

そんな昔ながらのお父さんであったのだ

 

夫婦で懸命に働き

東京で家を購入することができた

 

「今年も綺麗に咲いたな」

 

家庭という言葉のとおり

庭をもうけ

松や桜、梅などを育て楽しんでいた

 

家族の成長と共に大きく育つ庭木

多くの思い出ができた

 

庭に出て

花見を家族で楽しんだり

家族で草むしりを行う

 

何気ない日常が今になって思うと大切だった

 

「植木は大切にしないといけない」

 

生前、お父さんは植木を大切にしていた

家族の健康や成長を

植木と重ねていたのかもしれない

 

 

しかし、家の老朽化により

新たに家を建て替えることとなった

 

家を取り壊すと共に、庭も解体することになった

 

「植木は大事にしなさい」

その言葉が胸を刺す

 

どうにか残す方法はないだろうか

 

年数のたった庭木を

移植してくれる業者が見つからない

 

「困ってしまったなぁ」

 

東京という土地がら

庭木を移植した後、管理をしてくれる業者が

なかなか見つからないのだ

 

広い土地をもち、庭仕事を行うのは

都会では難しいのかもしれない

 

そんなときに

思い出の庭木を盆栽にできることを知った

 

「大切な父の思いを叶えたい」

 

そのような思いから

庭木を小さな盆栽にしたのであった

 

「思い出の庭木を小さな盆栽に」

 

両親との思い出のつまった大切な植木を

盆栽にしてみませんか?

 

マンションでも育てることができます

 

大きな植木を自分で管理することは難しいですが

小さな盆栽なら管理しやすいでよね

 

大切な庭を壊すその前に…

 

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