とり木について
どのような方法で木を増やしたり、小さくできるのでしょうか?
具体的な方法として
・さし木
・つぎ木
・とり木
・実生(種まき)
以上4つの方法があります
今回はその中の一つ、とり木について詳しくご紹介したいと思います
ページリスト
・とり木とは
・とり木の利点・欠点
・とり木の方法
・とり木後の管理
・取り木時期
・私のとり木手順
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とり木とは
ふやしたい親木の幹や枝などの一部を傷つけて、そこから根を出させ、親木から切り離して新しい個体をつくる方法です
さし木の場合は、親木から切り離してから根を出させますが、とり木は根をださせてから親木から切り離す方法です
原理的には、とり木もさし木もたいした違いはありません
とり木の利点・欠点
・簡単な増やし方です
根のついた生育中の親木の一部を発根させて、切り取る方法なので、失敗することはほとんどありません
発根後、切り取って植え付ければ、葉をつけたままなので、葉水分を吸収する立派な個体になぢています
・さし木やつぎ木が困難でも、とり木では簡単にふやせるものもあります
・とり木後、成木としてすぐに観賞することができます
さし木やつぎ木では若い枝を主に用いますが、とり木では相当年数の経った太い部分から発根させることもできます
枝ぶりのよいところでとり木すれば、すぐに観賞することが可能です
花や実も短期間で楽しめます
・下部の枝がなくなって見苦しくなったものや、大きくなりすぎたものなどは、上部をとり木することで、新しい個体を増やすとともに、親木の樹形を整える役目もします
欠点
1度にたくさん増やすことができないことです
とり木は、親木の一部を切り離して独立した個体をつくるものなので、さし木のように一本の親木からたくさん増やすことはできません
とり木の方法
樹皮の一部を傷つけて、葉でつくられた炭水化物を遮断することで発根させるのが、とり木です
とり木を行う位置で次のように分けられます
・高とり法
枝の途中で表皮を剥き、その部分に湿らせた水ごけを巻いてビニールでくるみ、発根させます
剥ぎ方には、枝や幹の表皮を一周分ぐるっと剥ぎ取る環状剥皮と、まるまる剥がずに、間隔をとって舌状に剥ぐ舌状剥皮とがあります
いずれの方法でも、内側の木質部が現れるまで表皮を剥ぐことがポイントです
水ごけの代わりに、剥皮した部分にポリポットなどを巻いて、その中の赤玉土を入れる方法もあります
・圧条法(曲げどり法)
若い枝やひこばえを地中に誘導して発根させる方法です
とり木部分は剥皮するか、針金を強く巻いて、養分を遮断しておきます
・盛り土法
株立ち状になるものや、ひこばえが伸びているものなどでは、根元近くに土を盛って発根したら掘りあげます
発根しやすいように、環状剥皮するか針金を強く巻いておくと効果的です
とり木後の管理
水ごけが乾燥しないよう、親木への水やりと一緒に、とり木部分の水ごけにも水を与えます
ビニール越しに水ごけの外まで根が10本くらい出てきたのが見えたら、親木から切り離します
切り取ったら、根を傷めないよう丁寧に水ごけを取り除きます
バケツの水に1~2時間ほどつけてから行うと、楽にとれます
排水性と保水性のよい用土で植えつけたら、風などで株がぐらつかないようにひもで鉢に固定します
たっぷりと水やりをし、1週間くらいは半日陰に置き、徐々に日に当てていきます
私のとり木手順
発根させたい部分に、木質部に達するくらいの深さで切り込みを入れ、2~3㎝幅に環状あるいは舌状に剥皮を行う
発根促進剤のルートンをオキシベロン薄め液で溶きます
ティッシュに先ほどの液つけて発根させる部分に巻きます
その上から、水につけた水ごけを巻きます
乾燥防止の為、ビニールで水ごけを包みます
ビニールの上からひもをかけ回して固定します
水ごけの乾燥具合を見ながら、水やりを行う
以上が私の作業手順になります
私がさし木、つぎ木、とり木、実生を行っている理由
私は庭師の仕事をしています
その中で、お客様から
「両親の大切な庭、思い出の詰まった庭を大事にしたいが、困っている」
という声を聞き、庭を残す方法を考えておりました
悩み抜いた結果
「庭木を小さな盆栽にする」
という答えになりました
盆栽でしたら、マンションや高齢者施設にも、持って行くことが出来ると考えたからです
それ以降、接ぎ木・挿し木・取り木・実生のことを学び
活動を行っています
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参照 より簡単で確実にふやせるさし木・つぎ木・とり木
Pingback: 木を増やす方法 (その2) つぎ木についての詳しい内容 | 庭の未来net.
Pingback: 木を増やす方法 (その4) 実生(種まき)についての詳しい内容 | 庭の未来net.
Pingback: 木を増やす方法 その1 さし木についての詳しい内容 | 庭の未来net.