盆栽の育て方・作り方
私の趣味は盆栽です
なかでも、出来上がった盆栽を買うのではなく、未完成の木を1から作り直すことが好きです
そこで、盆栽について詳しく説明してみたいと思います
また、毎年盆栽の形がどの様に変わっていくのか紹介したいと思います
ページリスト
・盆栽とは
・盆栽の特徴
・盆栽の歴史
・基本的な形
・管理のしかた(水やり・置き場)
・私の盆栽の考え方・作り方
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盆栽とは
草木を鉢(盆栽鉢、盆器)に植えて、枝ぶり、葉姿、幹の肌、根及び鉢、もしくはその姿全体を鑑賞するものです
自然の風景を小さく表現したもの
盆栽の特徴
植物を観賞する方法として、植木鉢にバラや花を栽培することもありますが、それらは鉢物などと呼ばれます
盆栽も鉢物の中に含まれますが、盆栽はその中で独自の位置付けを持ちます
それは自然の風景を、植木鉢の中に切り取って作り出すところにあるようです
その植物の、野山などで見られる大木の姿を、鉢の上に縮小して再現することを目指しています
そのために剪定を施したり、自然の景観に似せるために枝を針金で固定し時に屈曲させ、あるいは岩石の上に根を這わせたりと様々な技巧を競うのも楽しみの一つとされています
施肥、剪定、針金掛け、水やりなど手間と時間をかけて作ります
生きた植物なので「完成」というものがなく、常に変化するのも魅力の一つです
盆栽の歴史
中国で唐の時代に行われていた「盆景」が平安時代に日本へ入ってきて始まりました
古くは、「盆山」、「鉢木」、「作りの松」などとも呼ばれました
江戸時代になると盆栽の栽培が盛んになり、盆栽や園芸はブームになりました
明治時代以降も盆栽は粋な趣味でしたが、培養管理・育成には水やりなどの手間や数年がかり、長い時間が必要なために、生活環境の推移によって次第に愛好者は時間的余裕のある熟年層が多くなりました
そのため、戦後から1980年代ぐらいまでの間は、年寄り臭い趣味とされていました
しかし、1990年代以降盆栽が海外でも注目を集め、BONSAIと呼ばれるようになり、若者にも人気がでてきました
基本的な形
幹の模様、数により多くの呼び方があります
例えば、直幹・双幹・斜幹・吹き流し・文人木…という呼び方です
多くの模様がありますが、盆栽は自然な木を目指しています
不自然な幹の模様はさけて、その木にあった模様にしましょう
そして、木のバランスは△の形にすると綺麗な盆栽に見えます
管理のしかた(水やり・置き場)
水やり
盆栽で一番大切な管理と言えば、水やりです
水をやらなければ枯れてしまいます
本などには「土が乾いたらたっぷりと」と書いてありますが、毎日乾きをチェックするのは大変です
そこで基本的な考え方を紹介します
季節に合わせた回数を決まった時間に与るということです
乾いていなくても大丈夫です。
水はけのよい土に植えられている盆栽は「根腐れ」の心配はありません
(ただし、鉢の植え替えが長年行われず、水やりをしても染み込まないなどは盆栽の植え替えのサインですので、その木にあった時期に植え替えを行いましょう)
春秋は1日1回、夏は朝、夕1日2回、冬は昼1回を目安にして下さい
水やりの回数と時間を決めたら、あとは鉢底から水が流れでるまでたっぷりと与えます。
また、勢いのあるシャワーだと鉢の砂が勢いでこぼれてしまう為、シャワーを高いところから振って優しく与えます
水やりは水分を補給するだけでなく、水が鉢底から流れでるときに土中のガスや空気を新鮮なものに入れかえるという役割もあります
盆栽を一年程度管理できれば、その生育環境に対応できる盆栽となっているため、水やりの回数を弱らない程度徐々に減らすこともできます
置き場
盆栽は基本は屋外管理になります
室内で鑑賞も可能ですが、夏は3日冬は1週間程度を目安に鑑賞後は屋外に置いて1日4~5時間は日の光を浴びさせます
インテリアに盆栽を取り入れる場合は数種類を3日ごとにローテーションさせるとよいでしょう
夏場は日差しがきつい西日をさけます
どうしても西日が当たる場所しかない場合は50%の遮光ネット使用してください
遮光ネットは園芸店やホームセンターで手に入ります。
また、コンクリートや石の上は照り返しの熱や寒さで木に良くないので木製の台や板の上に置いてください
風通しが悪いと病害虫や樹の生育に影響しますのでできるだけ高い位置に置いて風が行き渡るようにします
私の盆栽の考え方・作り方
私の考えかた
私の木を綺麗に見せる為の考えかたは、大きく3つあります
庭木でも盆栽でも考え方は同じです
1 ・木を△の形にすること
2 ・強い枝を切ること
3 ・立ち芽を切ること
1・木を△の形にすること
これは、木の輪郭を△の形にすることです
私のブログ「庭木の剪定方法(基本)」で紹介しているので参考にしてみてください
2・強い枝を切ること
木の輪郭を△にして育てていると、いくつかの枝が長く伸びてきます
その強い枝を、そのまま育てると樹形を崩してしまうので、縮める剪定をするか、枝元から切ります
3・立ち芽を切ること
枝の伸びる長さは立ち芽ほど長くなります
立ち芽は元から切ります
私の作り方
それでは写真で3つほど紹介していきたいと思います
未完成のものばかりなので、変化が分かりやすくなっていると思います
1・さつき
2015年
お客様の庭木だったさつきを掘り取り、盆栽に仕立てています
2015年
全ての枝を切り落とし、新たに枝作りをしました
2016年
鉢上げから1年後の姿です
この段階では、頭の決め方に悩み、不格好なジンになっています
2017年
鉢上げから二年後の姿です
2月にさらに小さな鉢に植え替え、頭をとばしました
春には花も咲き、勢いが戻ってきました
2018年
木の勢いがついてきたので
現在は芽数を増やし、棚の数を多くする予定です
ちょうど鉢上げの盆栽にして3年ほど経過しました
2・黒松
こちらも2016年にお客様の庭に植えられていた盆栽を鉢上げしたものです
木の高さは、3倍ほどあったものを小さくしました
持ち帰り、地植えで1年管理したのち
2017年
針金掛けと植え替えを行った直後の画像です
植え替えの際に根を切り詰めすぎた為、弱ってしまい枝枯れが1か所おこりました
芽の成長も1年ありませんでした
2018年
芽摘みを行わず様子をみていました
勢いが戻ってきたので、芽数を増やしていく予定となります
3・黒松
2013年
お客様の庭で伸び放題の松を掘り取り鉢植えにしました
この年は芽が一年間伸びませんでした
2015年
芽数を増やしながら勢いをつける
2016年
ノコ目を入れ、枝を下げました
また、立枝も切りました
2017年
鉢の植え替え、角度変更を行った後の写真です
根を切り詰めたため、勢いが弱くなりました
2018年
芽摘みは行わず様子を見ました
勢いが戻ってきたので芽数を増やしていく予定です
以上が私の盆栽の作り方になります
紹介した3つの盆栽に共通している手入れ(剪定)方法は
1・木を△の形にすること
これは、木の輪郭を△の形にすることです
私のブログ「庭木の剪定方法(基本)」で紹介しているので参考にしてみてください
2・強い枝を切ること
木の輪郭を△にして育てていると、いくつかの枝が長く伸びてきます
その強い枝を、そのまま育てると樹形を崩してしまうので、縮める剪定をするか、枝元から切ります
3・立ち芽を切ること
枝の伸びる長さは立ち芽ほど長くなります
立ち芽は元から切ります
これらを考えながら剪定しています
私が庭木を盆栽にしている理由
私は庭師の仕事をしています
その中で、お客様から
「両親の大切な庭、思い出の詰まった庭を大事にしたいが、困っている」
という声を聞き、庭を残す方法を考えておりました
悩み抜いた結果
「庭木を小さな盆栽にする」
という答えになりました
盆栽でしたら、マンションや高齢者施設にも、持って行くことが出来ると考えたからです
それ以降、接ぎ木・挿し木・取り木・実生のことを学び
活動を行っています
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