「生花で苔梅を使いたい」

「どのようにして苔梅はできるのだろう?」

 

生花で高級な素材として扱われる苔梅は、どのようにしてできるのか、疑問に思ったことはないでしょうか?

 

今回は、庭師の視点も含めながら、梅に苔がつく理由を説明していきたいと思います

 

ページリスト

・はじめに

・梅に苔がつく理由

・苔梅の購入方法

 

 

はじめに

一般的に、生花で扱われる苔梅は、梅の木にウメノキゴケという菌が繁殖し、枝や幹が白く被われてできたものをいいます

 

白く華やかな枝は、生花の世界では重宝されています

老木の風合いが漂う苔梅は、特に正月の生花としてよく使われていますよね

 

また、生花のお稽古などでは、あまり使われることがなく、展示会などの大舞台で使われることが多いようです

その理由として

「入手が難しく高級な素材」

ということがあげられます

 

そのように、生花の世界で華やかな存在の苔梅ですが

庭師の世界では

 

「梅に元気がなくなってきた」

 

という証拠になるほか

見た目が悪いなど嫌がられる存在になります

 

そのように、よし悪しな一面をもつ苔梅は

どのような条件で、できるでしょうか?

 

 

梅に苔がつく理由

苔梅になるには、ウメノキゴケが育つ2つの条件が必要です

 

①大気汚染がなく綺麗な環境

②木の元気がなくなる

 

ということです

 

①大気汚染がなく綺麗な環境

 

ウメノキゴケは大気汚染に弱く、街中などではあまり見ることがありません

山に近く、空気が綺麗な場所の梅に、多く見られます

また私の経験から

適度に湿度があれば、より一層ウメノキゴケが繁殖するように感じます

 

 

②木の元気がなくなる

 

老木の梅などで、ウメノキゴケがより育つ傾向にあります

その理由は、樹皮の新陳代謝が悪くなっていることが原因です

 

若木の梅の場合、樹皮の入れ替わりが早く、ウメノキゴケは育つことができません

樹皮の入れ替わりが少なくなってくると、ウメノキゴケが繁殖しやすくなります

よって、老木の梅や弱っている梅にウメノキゴケがつきやすくなり、苔梅となるのです

 

また、庭師の方で

「ウメノキゴケがつくから梅が弱る」

という方もいらっしゃいますが

本来は

「梅が弱るからウメノキゴケがつく」

ということになります

 

ウメノキゴケを防ぎたい場合は

梅の樹勢を回復させ、樹皮の新陳代謝をよくすることが、一番の方法なのです

 

 

苔梅の購入方法

「苔梅を購入したいが入手困難である」

という方も多いのではないでしょうか?

 

一般的にはお正月が近づくと、お花屋さんなどで購入することができます

しかし、実際に販売されている所は少なく、見たことのない方が多いかもしれません

 

そこで、苔梅を購入したい場合は、お花屋さんに相談してみましょう

花市場に出入りのあるお花屋さんであれば、苔梅を落札し販売していただけると思います

 

 

お正月以外の時期や今すぐ手に入れたい場合

 

自分で苔梅を見つけ、持ち主の方に事情を説明して購入する方法があります

上記でも説明したように、苔梅になる条件が揃う場所を探します

 

具体的には

「自然豊かな山の近くで、老木の梅がある」

場所が理想です

 

苔梅を見つけることができれば、持ち主の方に最小限の枝をいただけないか交渉してみましょう

 

 

まとめ

苔梅になるには、ウメノキゴケが育つ2つの条件が必要です

 

①大気汚染がなく綺麗な環境

②木の元気がなくなる

 

ということです

 

生花で苔梅を使いたいが、購入先がわからない場合

 

①お花屋さんに相談する方法

②苔梅を自分で探して交渉する方法

 

を試してみてはいかがでしょうか?

 

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